「サステナブル」実際、何をすれば…? プロに学ぶ“手放し方”・最新アプリ・買い物で見るべき箇所

2019.07.30

サステナブルな生き方をうたわれる昨今、プラスチックの製品を手に取ると、なんとなく罪悪感に駆られる。でも本質はそこじゃないというのが、ライフスタイリスト大田由香梨さんの考え方。では、私たちはどういうスタンスで物を買い、“ゴミ”について考えるべき?

ストローって必要?

昨今のプラスチックの資源問題を考える中で、ふと思い出すのはストロー問題。“再利用が難しく環境にやさしくない”という理由で、多くの企業でプラスチック製でなく紙製にシフトしつつある状況を見て、カフェダイニング「ORGANIC TABLE BY LAPAZ」のオーナーも務める大田さんは考えたそう。

いろんな判断のもと企業ごとにあらゆる工夫をされていますよね。そこでLAPAZのメンバーでも話し合った時、そもそも口をつければ飲めちゃうものに、“ストローって本当に必要なのかな?”という意見が出ました。紙もそうであるように、プラスチックも再利用の方法があるという点を見れば、サステナブルな素材と言えると思うんです。

コメント: 大田由香梨さん

物事のあるマイナス面だけを見て悪とジャッジするのは、プラス面をうっかり見落とすことになりかねない。ジョークとほんの少しのアイロニーを込めて、ストロー問題が話題になってまもない頃、大田さんは筒状の野菜をストローにしたドリンクをSNSでポストしたそう。

“ゴミ箱”の文化がない、バングラデシュを旅して

旅好きの大田さんはいわゆる先進国でなく、東南アジアなどを訪ねることも多々。先日行ったバングラデシュではゴミ問題について考えることが多かったんだって。

バングラデシュはゴミ箱の文化が普及していない国で、ほとんどのものは“土に帰る”というのが現地の人々の考え。だからフルーツを食べた後の皮などを道端にぽいっとするのです。そんなサステナブルな世界に対して先進国はプラスチック製品を輸出する一方で、特にこれらの国のゴミ箱事情までは考えていない。発展途上の国のプラスチックゴミの問題は、先進国側にも責任があるのかもしれません。

コメント: 大田由香梨さん

このエピソードから、日本に暮らす私たちも学べることがある。もしもプラスチック製品を購入するときは、自分の手から離れる時のことまで考えることが、これからの時代を生きていく上ではスタンダードになる、ということ。それこそ消費者の責任なのかも。

ゴミ袋は何でも消してくれる魔法の袋じゃない

2020年目前の今年、東京オリンピック・パラリンピック競技組織委員会が携帯やパソコンなどの使わなくなった小型家電を回収して、約5,000個のメダルを作るプロジェクトも話題になった。(3月31日に受付終了)

プラスチックも小型家電も、アウトプットの仕方によってはれっきとしたサステナブルな資源。ゴミと捉えて捨ててしまえば、自分の目の前から消えるので、とりあえず用は済んだ。そうつい考えてしまいがちだけど、形がなくなるまでは価値ある資源だという事実を忘れなければ、もっと地球や環境にやさしい選択ができるようになるはず。

使わなくなった持ち物の価値を思い出すには

サステナブルな生き方を体現している大田さん。職業柄、私たちよりも物にふれる機会が多いからこそ、アウトプットに対する意識もすごく参考になる。大田さんが手持ちのものの価値を見つめ直すため、最近活用しているアプリは「miney」

出典: miney

価値を知りたいアイテムを撮影して、簡単な商品情報を入力すれば、最短1分でアイテムの参考価格が算出。さらには価格の日々の変動がグラフ化される機能も搭載。

自分の持ち物の価値を金額で把握することで、改めて“大切にしよう”と気付ける。着なくなった服も履いていない靴も資産になるという意識を思い出させてくれる、すばらしいアプリです。

コメント: 大田由香梨さん

またメルカリやヤフオクなどの普及は、自分にとっては必要なくなったものも誰かにとっては価値のあるものだと再認識できる、サステナブルなサービスといえそう。価値があると思える物だけを選ぶこと、いつか手放すときもその物自体の価値は決して消えていないということを忘れないこと。そんな意識を持つことがサステナブルなライフスタイルにつながる。

消費者にほぼ伝えられてない、大事なこと

岡山の手職人が生み出すミニBAGなどのプロダクト「LIFESTYLIST」の作り手でもある大田さんは、ゴミ問題だけでなく、再利用される仕組みやモノが生まれる生産現場を考える機会も多い。その中でふいにあることを思うそう。

例えばH&Mは再利用の素材を使用したアイテムを出すなど、アパレル業界でもサステナブルな選択をする企業は増えています。でも消費者が、その仕組みや工程を知る機会ってほとんどない。そこまで知ることができたら、きっと多くのひとがあらゆる資源に対するリスペクトを忘れずに済むんじゃないかな…と思います。

コメント: 大田由香梨さん

商品になるまでのストーリーを自分なりに辿ることが、今の私たちにできること。具体的な方法としては、気になるアイテムを手に取ったら、原料をチェックする習慣を持ってみる。きっと最初はそれが何を意味するかは理解できないかもしれないけれど、インターネットで調べてみれば知識はちゃんと得られる。

“職人が手がけた”と謳われる人の手によるプロダクトに惹かれるように、“この素材はサステナブルでいいな”という価値基準を持てたら、物に対する向き合い方も自ずと変わるはず。

スマートな消費者になるには、できる範囲から物の考え方や選び方を変えていくことがいちばんの近道。

取材協力 Stylist/Lifestylist/大田由香梨

text : 門上奈央

supervised by

スタイリスト/ライフスタイリスト
大田 由香梨

ファッション誌のスタイリストとしてキャリアをスタート。のちにその経験をベースに、衣食住の全てをスタイリングする”ライフスタイリスト”として活動。
by.Sチャンネル「心地よく暮らす、ということ。STORYのある女」で火曜日(不定期)配信中!

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