「個性を活かしたメイク」が今の理想だけれど、私の良さってどう活かせるの!?というのが漏れ出る本音。そこで、隠れた魅力を引き出すヘアメイクアップアーティストとして名高いKUBOKIさんに、個性の見つけ方や伸ばす方法を伺った。実際に、個性美を引き出した2021年秋のトレンドメイク2LOOKもご紹介。
- ヘアメイクアップアーティスト
- KUBOKI (Three PEACE)
- kuboki_hairmakeup
都内サロン勤務後、メーキャップスクールへ通った後にヘアメイクアシスタント経て独立。
美容誌だけでなく、様々なジャンルの活動の場を置く。メンズ美容も得意とし著書『男の美容武装』(ワニブックス)定評。2018年には自身が経営する初のヘアサロン『umber』(アンバー)を渋谷にオープン。2021年3月には東京中目黒にヘッドマッサージサロン『awin』もオープン。Three PEACE所属。
1.プロ的・個性 目のつけどころ
ふだんプロはどんな風に魅力を捉えているのか。個性の見つけ方、教えてください!

客観的に見て、際立ったパーツが目に入ります。リップ素敵だな、もっとリップメイクを主張したらいいのに、とか。本人はコンプレックスだと思っているところが魅力であることも。自分だけじゃ魅力に気づけないから、客観を取り入れることはすごく大事。たとえば友達から言われた“今日のリップいつもと違うね、似合ってる!”みたいな褒め言葉をストックしておく。こうありたいという主観と、客観。総合的にバランスがとれているひとはメイク上手、おしゃれだなと思います。
2.ありのまま信仰と、本音。コンプレックスをどう扱う?
“ありのままの自分こそ美しい”…頭ではわかっても、どうも好きになれないのがコンプレックス。どう向き合ったらもっと素敵になれますか?

コンプレックスこそ原動力ですよ。コンプレックスがない人って伸びしろがない。深く掘り下げないから。日本人って、コンプレックスをカバーするスキルに長けている。それを日本人らしい良さとして否定せず活かしつつ、プラスを目指す。主観と客観のバランスをとりながらその表現幅を増やしていこう、とチャレンジするマインドでメイクをすると、すごく変わると思うな!
3.個性美メイクを深堀り
個性をプラスに伸ばすメイクって?

チャームポイントを立たせたメイク。そのうえで全体バランスのとり方を研究していく。たとえば、チャームポイント以外はしない=引き算ではなく、ハイライトでツヤを足して抜けを出したり、下地で透明感を出したり。リップが主役なら眉も主張してバランスをとったり。
あとは、その年の新作のなかから似合う色を見つけ出す。チャームポイントのパーツに絞ってもいい。そうすると個性が立ちながら、今っぽい雰囲気に。コンプレックスを隠さず活かす方法だってある。一重がコンプレックスならアイシャドウが面として綺麗に見えるから好きな色をフルで表現できるし、ラインシャドウっぽくのせたら素敵。
ここからはモデルの畑井咲耶さんを例に、個性を引き出した2021年秋のトレンドメイクを探っていく。
新作コスメで今っぽさを取り入れて、高揚感を。そんな心をもポジティブにしてくれて肌にもやさしい、すこやかなナチュラル&オーガニックコスメでメイクアップ。

個性×トレンド
造形や印象の強さが活きる、やわらかいカラーを使う。ペールトーンながら彩度の低い秋色、薄いレンガ色で全体を統一。甘くなりすぎない色&イエベ肌に合う色として、青み系のピンクではなくサーモン・オレンジ寄りをチョイス
全体的に湿度があるメイクに仕上げることで甘くなりすぎず、凛とした強さとマッチ

- Aの右をアイホールくぼみまで塗り広げる。
- 左をキワにラインを引くように塗り、二重幅までぼかす。

- Bを5点置きして顔の中心から外へ塗り広げる。透明感をプラス。
- Cを指でとり両頬の高い位置に置く。片方ずつ仕上げると高さに差が出てしまいがちなので、ぼかす前にまず両頬に置くのがポイント。指で円を描くようにして横広に叩き込む。叩いていくと自然と骨格にのってくる。塗り広げる際すべらせると、頬骨の位置を無視してしまいやすいので注意。
- Dを直塗りし、ラフになじませる。


- Eの左上をアイホールくぼみまで塗り広げる。キラっとしたパールが秋冬にマッチ。
- 右上を二重幅に塗りグラデーション。目の幅より5mmオーバーして横長につくる。
- 左下を下まぶたの涙袋半分くらいの範囲に塗る。
- アイラインを強く引かない分、目のフレームをとるイメージでFを根元から塗る。

- Gをしっかり発色させる。下唇の口角がくっきりとラインが出るように綿棒でケアする。